時刻は10日22:45。
ロビーで相方を待っているが、部屋から出てこない。(男女別の部屋割りなのだ)
仮眠をしている方もいるので、携帯電話も使えない。
そこで、スタッフさんにお願いして部屋を見てきてもらうことにした。
そうしたら、なんと井出マヤさんが部屋に確認しに行って頂いた。
準備中でもうすぐ来るということでした。
お手数をお掛けし、誠に申し訳ございません。m(_ _)m
井出さんの御活躍の文章をいくつか読んでいる私は恐縮しているのだが、
相方は何もわからないものだから平然と出てきた。

そんなドタバタを演じながら、23:11 PC4 出発。
2014年07月10日054
天気は当然の如く雨。
乾いたレーパンとジャージに雨具を着てスタートしたが、濡れるのは時間の問題か。

PC4を出発して少し上った後は、坂を下って美幌町に向かう。
スタートしてすぐに女の方1名を守るように6名の集団に追いついた。
ここからは、得意の無賃乗車で美幌の町へ。
相方はまたしても、上り坂で先に行こうとするが、今度は私が集団の最後尾から動かない。
よって、しばらくしたら、集団の後方に戻って来る羽目に。

今日は美幌峠とその後の向かい風があるのだから、最初は飛ばしたらダメなのさ。

大人の走りに徹していたら、美幌の街中で両手を広げた蛍光ベストを着た女性が。
スタッフのチコリンさんでした。

チコリンさん曰く
「根室方面は非常に天候が悪いので、中止もしくは休憩ポイントの別海から戻って、足りない160km分を札幌近辺に変更するかもしれません。ともかく検討中です」とのことだった。

不思議なもので、そんな話を聞いても誰一人「じゃあ、戻ろうか」という人は無く、
とりあえず、別海までは行こうと走り始めた。

美幌町を越えて、いよいよ美幌峠を上り始めます。
仮眠が出来なくてスタッフさんらと話してた時、美幌峠は屈斜路湖側は九十九折で峠らしいけど、美幌側は真っ直ぐ上っていて精神的にきついということだった。

美幌峠まで10kmの青看板を大分過ぎて、集団から離れて前に行く。
相方が「あと、どの位」と聞くので、
GPSでは8kmと出ていたが、「もう少しじゃないか」とはぐらかした。
知らない方が良いこともある(爆)
斜度はそんなにきつくないが、前方の斜め上の方に前の人のテールランプが見えているので、
あそこまでは上らなきゃならないのがわかるのだ。

しばらくすると、対向側にランドヌールの姿が。

えぇ、もう戻ってきたの!!

すれ違うのは、弟子屈の手前の釧網本線と交差する(457km地点)辺りの予定だったのに・・・。
時間も02:45頃だったはずだったのに・・・。

速すぎる~!

ちょっと心が折れた。
それでも、ペダルを回すのを止める訳には行かない。
やっと頂上に着いたら、またしても、赤色灯を回している蛍光ベストを着た女性が。

やっぱり、チコリンさんだ。

「駐車場に入ってください。スタッフから説明があります。」

説明によると、
「この先、大変危険な為、先には進めません。北海道1200は中止です。」

さっき上りの時すれ違った人は、それで引き返して来た人だったのだ。
ここで私の北海道1200は終わった。

11日01:59(スタートから29時間09分)美幌峠 432.9km地点(予定では02:00通過予定で、ほぼ予定通り)
2014年07月11日003a
不思議とすぐ受け入れられた。
美幌峠を上ったばかりで、疲れていたという事もあっただろうが、
それよりも、4年間も準備をして来たAJ北海道さんが一番辛い判断をされたのだから仕方がないと、
素直に受け入れられた。
不思議と悔しさはない。(6日たった今でもない)

少し間をおいて相方も頂上に到着した。
ボウッとしていたのか、ゆっくりだが歩道の段差にまともに突っ込み落車した。(ケガは無かった)
「こりゃ、帰った方が良いわ」と思った(笑)

2014年07月11日001
ここからが3つのパターンがあった。
1)体が冷えないうちに、峠を下りる。
2)自販機前の庇の下で明るくなるまで待つ(自販機組)
3)トイレの中は暖房が効いているので、そこで明るくなるのを待つ(便所組)

相方は少し休ませてと自販機組に傾きかけていたようだ。
私はとりあえず用を足しにトイレに向かいドアを開けたら、10人以上の人で満員状態。とてもおしっこをする雰囲気ではなく、かつ、ムッとする暖かさと湿度で、「こりゃ、しばらくいたら動きたくなくなるワイ」と早々に退散してきた。
2014年07月11日002
後で聞くと、それぞれの組にドラマがあったらしいが、我々はそのまま峠を下りることにした。
(夜明けまでいた人は、屈斜路湖の風景と美幌町にかかる雲海を見えたらしい。)
仮眠が余り摂れていないので、北見のPCまで戻るなら、なるべく早く戻りたかったのが正直なところだ。

ちょっと前に、ヤットの思いで上ってきた美幌峠を、一気に下る。
寒い!
美幌の町に戻って来た辺りで雨は止んだ。
2014年07月11日004
美幌の街を過ぎた辺りで、空が明るくなってきた。
皮肉なものだなぁと思った。(厚床から納沙布岬はこの後も天候が酷かったことは知らなかった)
明るくなって気温が高くなると、眠気が出てきて堪らない。
眠気覚ましのタブレットを食べながら、15km/h程度で進む。
これは他の人も云っていたが、認定がなくなると、本当にブルベペースを維持するのは大変なのだ。
この時は、早くPC4に戻ってお風呂に入って、暖まって汗を流そう!の思いだけでペダルを回した。

04:31 PC6 北見市自然休暇村センター着
2014年07月11日006
皮肉にも青空が見えてきた。
再度ドロップバックを受け取り、自転車にチェーンオイルを塗って食事をする。
疲れが出ていて写真を撮り忘れたが、ビーフカレーが美味かった。
imagesCAUA6Z1D
Bakky氏のブログから拝借。私はここまで盛らなかったが、2杯食べたので変わらないかも(汗)

食事をしながら、今後の予定を考える。
コース通り戻るとすると、PC8のかなやま湖まで、予定では13時間30分だった。
9時にここを出れば22:30、遅くても日付が変わる前に着けるので8時30分集合ということで解散。
その後、再びお風呂に入り、05:30頃、寝床も戻って寝た。
今度は寝れた。
ぐっすり寝た。


08:00頃、目が覚めた。周りは結構ないびき&寝息の音だ。
たぶん自分もそれ以上にいびきを掻いていたと思う。
人間本当に疲れていると、それでも寝れるのだ。
待ち合わせは08:30だが、準備をして寝床を出てロビーに向かう。
レッグカバーやアームカバーをしていたら、またしてもカレーが食べたくなって、カレーを食べた。
完全なブルベ腹だな。と思いながらも、まだ札幌まで400km近く走らないといけないので、と自分に言い訳をしながら食べた。やっぱり、美味しい!

昨日は気付かなかったが、ドロップバックのところにこんな垂れ幕があった。
2014年07月11日007
本当にみんなに支えられて、北海道1200が行われているのだと改めて思った。

しばらくして、相方も出てきて、スタッフの井出マヤさんに安否確認をされた。
参加者が今何処にいて、何処に向かっているのかを、常時把握しているのだ。
スタッフの大変さを感じながら、ここで記念写真をお願いしたら快く了解して頂けた。
2014年07月11日008

参加者は
1)早々と、ここPC6からコースを辿って札幌に自走する人、
2)日中はのんびりして、19:00からコースを辿って札幌に自走する人(ホワイトボードに書いてあった)
3)別なコース(大雪山の北側を廻って)で札幌に自走する人、
4)北見からJRで輪行する人、
5)レンタカーで札幌に戻る人、
と様々だ。

我々は当初大雪600のコースに乗って下見がてらに自走して帰ろうかと思ったが、
ここで、私は何かこのブルベに物足りなさを感じていた。
もちろん中止になったことではない。
その何かを求めて走ろうと思ったのである。

(つづく)