いよいよ10月になります。
暑かったあの夏の日は過ぎて、今年の自転車シーズンも終わりに近づいて来ました。
しかし、今の北海道にはAJ北海道さんとランドヌール札幌さんの2つのブルべ開催団体があるので、10月は3週続けてブルべが開催されます。ありがたいことです。
まずはその第一弾として、10月9日にAJ北海道さんの最終戦、本桐400が行われます。

コースは、札幌の真駒内を出発し、支笏湖線を登り、恵庭湖通って、恵庭から早来、平取を抜けて、アップダウンを越えて本桐へ。本桐からは来た道を戻って平取へ。平取からは苫小牧の工業地帯を通って、樽前山のモラップまで登って、支笏湖温泉街からポロピナイの激坂を登って、真駒内へ下ってゴールの400km、獲得標高4,046mという立派な山岳コースなのだ。
本桐400

どうしても、スタート直後の恵庭湖への分岐の手前までの登りと、コース最後の苫小牧から樽前山の登り、そして支笏湖のポロピナイからの登りに目を奪われてしまうが、
そこが大きな落とし穴!
本桐2
青い枠で囲んだ部分、すなわち、
平取から本桐、更に平取に戻るまでが曲者なのだ。

PC2平取からPC3本桐、そしてPC4の平取までを抜き出したのが、下の図だ。
平取~本桐
見ての通りアップダウンの連続で、平らなところがほとんど無い。
ここの区間距離は167.6kmで、獲得標高は、2,180m。
距離は全体の半分も行っていないのに、獲得標高は半分を越えている。
一番高い所で230mしかなく、それで2,180mの獲得標高になるということは、如何にアップダウンが多いかを示すものだ。

少し見づらいが断面図の縦軸の目盛りが、コース全体を示している方は1,000mに対して、抜き取った方は500mなので、随分印象が違うと思う。
大きな登りで縦軸のスケールが決まってしまうので、大きな坂があると、小さな坂が細かく表現されて印象に残らない。
これこそ、ルートラボの罠なのだ!

更にこのコース、補給地点が少ないのだ。
平取から本桐のPC間、80kmの間に1ヵ所A-COOPがあるだけで、それも19:00で閉まってしまう。
(注:AJ北海道のMarioさんによると、A-COOPは日曜日は休みだそうだ。)
速い方は別として、か弱い子猫ちゃんの私が復路で通る時にはお店は開いていないのだ。
後は自販機のある場所が2か所程度しかない。
■昨年の日高200の時に通ったA-COOP この時はお昼前だったので開いていた。
2015年10月18日041
つまり、60km走って休憩し、更に20km走って 80km走って、本桐のPCセイコマで補給して(他にお店は無い。もちろんグルメなんてありゃしない)、同じ道を今度は80km補給無しでこのアップダウンのコースを走らなければならない。
また、最後のPC5苫小牧を過ぎると、ゴールまでの60kmの途中にあるのは、朝方なので支笏湖の温泉街の自販機とポロピナイの自販機だけだ。
本当にグルメどころか補給地点が無いコースなのだ。
平取・本桐間、PC5の苫小牧からゴールまでの間はもちろん、
コース全般的に補給食と水分は必携だ。

前回の2013年の本桐400は、これに局地的な雨が重なって、エントリー43人中、DNS7名、DNF11名、完走25名で、純粋完走率(スタートした人の完走率)69.44%という私が参加したブルべでは最低の純粋完走率だった。
ちなみに、次に低かったのは去年(2015年)の雨の降った新パノラマ300で69.8%(私はDNS)、その次は2012年の大滝村で気温2℃と寒かった新パノラマ300(前のコース)の78.26%だ。
純粋完走率が80%を切っているのは、この3つのブルベだけで、北海道のブルべでは、パノラマ300が厳しいと言われているが、実は本桐400の方が純粋完走率が低いのだ。


コースの厳しさばかりを言っても仕方が無い。
もっとプラス思考で、本桐400の魅力を挙げておこう。

まずは、車が少ない。
その為か、路面が荒れていた印象はない。

但し、所々にある縦溝や横溝の区間や道路を横断しているグレーチングには要注意だ。

街灯も少ない。
さらに、目印も少ない。

GPSが無い場合は、コースをよく学習しておく必要がある。(復路は暗くなるので特に注意が必要)

牧場の中を走るコースは、如何にも「ほっかいどー!」という感じの景色だ。
でも、それは明るい時の話で、復路は真っ暗で何も見えないと思った方が良い。(速い人は別です

前回は、本桐までのアップダウンの途中で1か所、犬を放し飼いにしている所があり、
猛然と吠えて追って来るので、心の準備と注意が必要だ。

因みに、ウチの相方は、誰に教わったのか知らないが、
「ワン!ワン!ワン!」と吠え返すという技で犬を撃退する。
一緒にいる私は、犬に驚き、更に、犬に吠え返す相方に驚くという二重のドッキリで特に注意している

本桐400は平取から本桐の167.6kmが、往復コースなので、普通のブルべではスタート以降、会う事のない速い参加者とすれ違う。
前回は、150km地点のステルス峠の頂上で、先頭だったkiyatchiさんとすれ違って心が折れたものだ。
だってこちらは150km地点なのに、kiyatchiさんは232km地点で、私等よりも1.5倍以上早いんだもの
しかし、私と相方は最後尾だったので、桐からPC以外では、誰とも会う事も無く、車も滅多に来なかった為に走りに集中出来た。

苫小牧の最後のPCを過ぎると、樽前山へのヒルクライムが始まる。
ここはそんなに勾配はきつくは無いが、ダラダラとした登りが延々と続く。
最後が左にカーブして登りが終わるのであるが、それと似たような景色が三度は現れる。
「やったー!登りが終わった。」と思ったら、まだ続いて、心を折ってくれるのだ。
徹夜明けで、心が折れるのはなかなか味わう事の出来ない体験だと思う。

支笏湖のポロピナイの坂は、札幌の自転車乗りならよく知っていると思うが、前半は特に激坂だ。(当社比)
しかし、大丈夫!
タイムアウトになったら、それまで坂を登って来た努力が全て無駄になってしまうと思えば、結構登れるのだ。(笑)


どうであろう。本桐400の魅力が伝わっただろうか?
その本桐400が前回は9月7日開催だったのに、
今回はひと月遅くなって帰って来た。(どうして帰って来たんだよ~
チャレンジし甲斐があるじゃないか!

前回は私が26時間42分(残り時間18分)でギリギリ完走、相方は鵡川手前で、今までで唯一のDNSだった。
2013年09月07日010
2013年09月08日006
前回の本桐400から3年間、私と相方がどのくらい成長したかを計る良い目安となるだろう。

私の場合はある意味、成長し過ぎて、
グルメポイントが無いこのコースに、モチベーションがちょっと下がっているのだが(爆)


今年北海道で10月に行われるブルベ3連戦をチャレンジ・シリーズと位置付けて新しい試みをしてみようと思う。
第1弾のこの本桐400でのチャレンジは、
グルメをしない!
これに挑戦してみようと思う。

「何を言っているの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれないが、
そもそも私が完走計画を建てるようになったのは、タクランケさんが初めてブルべに参加した、2013年の最終戦、10月6日に行われた大夕張200の時の経験からだ。
2013年10月06日062
当時私は、所属していたグループのリーダーにおんぶにだっこで、グルメの場所くらいしか調べてなかった為に、夕張の小倉屋ぱんぢゅう店さんのぱんぢゅうや、
小倉屋
同じく夕張の鹿の谷3丁目食堂さんのカレーそば
バリー屋台
皆から離れて食べたとしたら、行って食べて戻るのに、どの位時間のロスがあるか分からなくて、怖くて出来なかった。
それでも後半、思い切って当別のかばと製麺所さんに先に行って食べようと皆から離脱して行ったが、今度はお店が既に閉店で食べられなかった。
この苦い経験3連発から、翌年のブルべから完走計画を建てて、安心してグルメを楽しむようになったのだ。

過去39回のエントリーで、DNSした3回を除いた36回中、2012年の新パノラマ300、2013年の十勝200と大夕張200の3回を除いて、すべてコース上で一度はグルメはしている。(2013年の十勝200はお店に行ったが、お休みだった。) 
特に、完走計画を建てるようになった2014年以降の29回のブルべでは、確実にグルメをするようになったのだ。

その私が今回の本桐400ではグルメをしないと決めたのだ。
これをチャレンジと呼ばずに、何をチャレンジと言うのか!
完走計画を建てながらグルメをしないというのは、私にとってアイデンティティに関わるチャレンジなのだ。
(本桐400のグルメの場所をチェックするためにココに来てくれた方、お疲れ様でした。(笑))

今回はストイックにコンビニ飯による補給で400kmを走りたいと思うのだ。
それ以前に、このコースはグルメポイントが少ないからね。
因みにグルメポイントになりそうなところは、早来と往路の平取の2ヵ所だ。
但し、早来でグルメをした場合、前回の私達と同様に、貧脚にとっては、クローズ時間近くのギリギリ隊を覚悟せねばならないことを忠告しておく。
それと、ニンジン作戦として、早く苫小牧に着いたなら、開いているお店がいくつかある。
それを目標に、平取からのアップダウンを越えて行くという前向きな作戦はあるかもしれない。


それでは、グルメの無い、味もそっけもない完走計画を建てましょう。
9月28日現在、まだ正式なキューシートが発表されていないが、大体は同じようなので、前回2013年のキューシートを基にした計画である。

スタート地点のエドウィン・ダン記念公園は、7月の北海道1200以来、久しぶりに自走で向かう事の出来るスタート地点だ。
尚且つ、スタートが08:00と遅く、いよいよ朝が寒くなって来たということか。
06:00 起床
06:30 自宅を出発
途中、いつもの様にすき家さんで朝食を頂き、
07:15 エドウィン・ダン記念公園到着
受付を済ませて、参加の皆さんと健闘を誓い合い、雑談で時間をつぶす。
07:30 ブリーフィング
08:00 スタート
と、ここまではいつものパターンだ。
支笏湖線を登り恵庭湖を目指す。
09:00 15.7km地点 国道453号の支笏湖線から左折、道道117号に入る。
10:00 40.9km地点 山崎製パンさんの横を通り右折。
10:30 47.8km地点 PC1 サンクス千歳末広2丁目店到着(前回 10:15、close 11:24)
10:45 PC1出発
11:45 67km地点 早来駅前通過。
前回はここ早来の「レストランみやもと」さんで、カマンベールチーズ入りハンバークを頂いた。
2013年09月07日013
これが失敗の元だった。
貯金が無いところにグルメをしたものだから、以後、クローズ時間を気にしながら走るハメになった。
だから、今回はスルー!
折しも、ここを通過する時は丁度お昼時で、
ハンバーグは肉汁たっぷりの超おいしいハンバーグなのだが、今回はスルー!
またこちらには、カマンベール入りのソフトクリームも美味しいのだが、今回はスルー!
ちょっとくらいイイじゃないか?と思っても、今回はスルー!なのだ。(笑)

厚真を過ぎ、義経峠を越えて平取へ。
13:45 107.2km地点 PC2 セイコーマートたんの店到着(前回 14:37 close 15:08)
ここで、遅めの昼食だ。
間違っても、PC直前の、「蕎麦好房 みつづか」さんで、
2013年09月01日001
野菜天ぷらそばなんて食べてはいけない。
2013年09月01日003
例え300円アップで野菜ミニ天丼が食べられるからといって、食べてはいけない。
2013年09月01日005
素直にPC2でカップ麺とおにぎりのコンビニ飯を食べようと思う。

14:05 PC2出発
国道237号から右折して、小さな峠に入る。
ここを皮切りに、ここからアップダウンの連続になる。
一つ一つの坂は大したことがないけれども、その連続が脚を削る。
大分削られたところで、ステルス峠(峠と名前がついていないが、どう見ても峠だろうという坂)がやって来るのだ。
16:00 150km地点 ステルス峠通過。
前回はここで、折り返して来た先頭のkiyatchiさんとすれ違ったが、今年はもう少し先まで頑張りたいと思う。
なんせ、グルメを止めているのだから(汗)

17:00 164.9km地点 A-COOPしずない店到着(前回 18:21)
2013年09月07日023
平取と本桐の間の唯一のお店だが、日曜日はお休みらしい。
しかし、外にベンチとテーブルがあるので、ここで休憩をしよう。
10月9日の日の入りは17:02だから、夜間装備にしたい。
こちらは19:00までの営業なので注意が必要だ。
17:10 A-COOPしずない店出発。
出発して間もなく、日高のZ坂(命名:私)があり、
2015年10月18日043b
18:30 191.5km地点 PC3 セイコーマート本桐店到着。(前回 19:53、close 20:48)
こちらでカップ麺とおにぎりの優雅な夕食を頂こう。

18:50 PC3出発。
20:10 218.1km地点 A-COOPしずない店通過(前回 21:59)
とにかく、真っ暗闇の中をアップダウンをひたすら耐えて、
23:00 274.5km地点 PC4 ローソン平取本町店到着(前回 01:48 close 02:20)
ここでカップ麺とおにぎりの優雅な夜食を頂こう。
23:30 PC4出発
00:30 292.4km地点 右折して国道235号入る。
前回はこの手前で相方がDNFしたのであるが、今年はリベンジに燃えているようだ。
01:45 318.5km地点 沼ノ端通過。左折
苫小牧の工業地帯の夜景を眺め、
2013年09月08日002
苫小牧市内の信号峠を越えて、
02:45 336.9km地点 PC5 サンクス苫小牧澄川店(前回 06:02 close 06:28)
前回はクローズギリギリの朝方だったので、信号待ちをしている間に眠気がやって来て、非常に辛かった。
今年は少しでも早く切り抜けたいと思う。
PC5を出発するとゴール直前の芸術の森過ぎまで、コンビニなどお店は無いので、
ここでもカップ麺とおにぎりの最後の夜食を頂こう。(結局、何回カップ麺とおにぎりを喰うんだか

03:15 PC5出発
11.2kmで413m登る平均勾配3.6%の坂を登り、
04:30 351.9km地点 樽前山のモラップ通過。右折
05:00 361.7地点 支笏湖温泉街通過
05:25 369.3km地点 ポロピナイ到着
この日の日の出は05:41なので、大分明るくなって来ているだろう。
ここで小休憩を挟み、最後の登りに挑む。
05:30 ポロピナイ出発
「ようこそ支笏湖へ」の看板まで、10.6kmで獲得標高426m、平均勾配4.01%、
特にオコタンベのT字路までの登りは、5.6kmで310m登る平均勾配5.5%の坂だ。
まあ、よくも350km以上走らせて、ここを登らせるもんだわ(涙)
06:45 385km地点 恵庭湖との三叉路通過
07:30 402.0km地点 GOAL エドウィン・ダン記念公園到着(前回 10:42 close 11:00)

23時間30分でグルメ無しでゴール!(TдT)

あの厳しい本桐400を24時間掛からずにゴールするという偉業の予定だ。
なんせ、グルメを止めているのだから(汗)
前回24時間を切ってゴールした方は、完走25名中、たった9名しかいないのだ。

・・・・・

しかし、良いのか自分?
本当にグルメをしなくて良いのか?

今回は良いのだ!


でも、もし、
万が一、余裕があった場合、苫小牧の「天和 大町店」さんのこってり醤油ラーメンなんてどうだろう。
天和
また、苫小牧の手前の沼ノ端の「ちょんまるらーめん」さんも良いかも?
期間限定の真っ黒いスープの炭(たん)みそはあるのだろうか?
ちょんまるらーめん
こちらには、他にも台湾まぜそばや個性的なラーメンがあるようだ。
但し、コースを外れて、線路の反対側なのと、02:00までの営業時間なのがネックだ。
コースを外れる319km付近は、01:50頃通る予定なので、
万が一、行きたい場合は、30分貯金をしなければならない。
必殺ニンジン作戦ということだ。(笑)

ただ、今回はグルメをしないのが目標なので、
あくまでも参考までということだ。(汗)


とにかく、
AJ北海道の皆さま、参加に皆さま、よろしくお願いします。

・・・・目標というのは、達成できない事が往々にあるからねぇ~(爆)


(おわり)