2014年03月17日002
いつになく雪解けが進まない札幌ですが、皆様如何お過ごしでしょうか。
このblogを訪れてくれる方は、私の事をサイクリストと思っていたかもしれないが、
それは世を忍ぶ仮の姿で、
実は、私は氷割りストなのだ。
それも、かれこれ20年以上続く生粋の氷割りストである。
氷割りストという言葉を知らなくても何も恥ずかしがることはない。
何を隠そう命名は不肖「SRを持った氷割りスト」の私で、最近命名したからだ。


氷割りスト
と聞いて、ピンと来た人は、北海道の道央圏から道北圏にかけてお住まいになったことがある人であろう。
札幌近辺にお住まいの方はご存知だろうが、春になるとそれまでの根雪が一気に融ける。
が、しかし、春先はまだまだ夜は冷える。気温が零下まで下がる。
よって、昼間融けた雪が凍る。凍ると滑るので非常に危険なのだ。
また、札幌の道路は排水グレーチングが除雪された雪で塞がれている場合が多く、
雪解けの水の行き先がないので、あちこちに水溜りが出現し、歩きにくいのはもちろんのこと、水跳ねの危険もあるし、水が溜まると雪解けが進まない。
そこで、氷をツルハシのようなもので割る人が現われる。
2014年03月17日001
氷を割って水路を作り、道路の排水を良くし雪解けが進むようにするのだ。
割った氷は道路や敷地の端に除けて、排水の邪魔にならないようにする。
そういう人たちを私は氷割りストと呼ぶのだ。
間違っても、割った氷や雪を道路に捨ててはいけない。
車や自転車など通行する人の邪魔になるし、危険である。
そういう人は氷割りストとは呼べない。

町内会には必ず一人ぐらい氷割りストがいて、皆に重宝がられているはずだ。
札幌近辺にお住まいの方は、当たり前と思っているかもしれないが、
氷割りストの生息数は正確にはわからないが、そんなに多くはない。
なぜなら、雪が降って根雪になる地域で、春先、昼と夜の気温差が大きな地域しか氷割りストは存在しないからだ。
根雪の少ない道南地方にはいないだろうし、胆振、日高地方や道東地方にもいないだろう。
私の故郷の十勝地方にもいなかった。
オホーツク方面には、氷の張った港を空けるために、川の氷を割る漁師さんの氷割りストがいるらしいが、川の氷なので氷割りストの亜種ということにする。

氷割りストの生息数が分かりにくいのは、スーパーマンのクラーク・ケントのように、普段はサラリーマンや職人、OL、主婦の姿をしているからだ。なかでも多いのがジジイの姿の氷割りストだ。
それが、ひとたび雪解けの時期になると、何処からともなく氷割りストに変身して氷割りをしているのだ。
しかし、それは春のごく一部の期間しか現われない期間限定なのだ。
まるで「みなしごハッチ」に出てきたうすばかげろうのようなはかなさだ。
私はそこにロマンを感じるのだ。
平家物語にも通じる「もののあはれ」と言っても良いかもしれない。


氷割りストの私は、自宅前の道路の排水グレーチングの位置は把握しているので、どんなに雪で埋まっていても、一発で見つけられる。(←これは氷割りストの基本と言えるだろう
そこを掘り起こし、氷を割って水路を作り、道路にある水溜りの水を流し込んでやるのだ。
その開通した時の、水の流れに快感を感じるのだ。
それは便秘の後にスッキリした時のようなものかもしれない。(←私は便秘症ではないため正確なところはわかないが)
そこには、近所に住む人の為だとか、そこを通る人の為ではない。
純粋に水が流れる、その快感の為だけにやっているのだ。
だから、私のテリトリーである自宅の前の道路の氷を割るときは、私に一声掛けて欲しいくらいだ。
「氷を割って良いですか」
いや、
「氷割りを一緒にやりましょう」と。

氷割りをしていると、通行人から冷たい視線を感じることがある。
「このおやじ、なにヒマなことやっているんだ!」と思っているんだろうとは私は思わない。
「オレもやりたいけれども、勇気が無いんだよな。やりて~な~」と思っているんだろうと思う事にしている。
まるでロードバイクと同じじゃないか!


今年もそろそろ氷割りストの出番がやってきたようだ。
気の早い氷割りストが、ちらほら出現し始めたようだ。
道路の氷がどんどん減っていき、アスファルト路面が顔を出す部分が増えて、
そして、それが乾いて春が来たなって思う時、
私が氷割りストからサイクリストへ変身する時なのだ。
幼虫がサナギになり成虫になるように。
(ということは、私は完全変態なのか? ブルベやってるし・・・? 完全な変態・・・??
その時期もそろそろ近い。
今か今かと出動する日を思いながら、自分は変態なのかと自問自答する今日この頃である。